【 Tone 0.Prelude(前奏曲) 】~ The seeds of time(時の種子)~
- Aureilia

- 4月24日
- 読了時間: 37分
更新日:6月20日
ἄειδε θεὰ
響かせ給え、生命(いのち)の弦を。
世界を織り成す水の女神、瀬織津姫よ。
導き給え、普遍なる北極星よ。
引き裂かれし星の子らを。
記させ給え、明けの明星よ。
失われし魂の故郷、Lyra(リラ)の正史を。
我は星と魂の書記官、Aureilia。
宇宙大戦を越え、地球(テラ)に降りし星の種子の、幾星霜の弥栄を祈り
この書、『 Star-Crossed Souls 』を捧げる。

ふと視線を感じて、藤川 佳帆(ふじかわ かほ)は足を留めた。
振り返ると、琵琶湖疏水沿いに建つヨガスタジオの、ウインドウに貼られたポスターに写った人物が目に映った。青白い肌をしたヒンドゥー教の「ヴィシュヌ神」を思わせる風貌のヨガマスターの瞳は、深海のような碧を湛えていた。
どこに立っても目が合うように、玉眼を嵌め込まれて彫られた、阿弥陀さんみたいや…。
そう独りごちて、ウインドウに近づく。



